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Redmine から始める現場・企業文化改革 part.3

Redmine Advent Calendar jp 2011 Changeworld on Redmine 23日目の参加記事です。

Redmine から始める現場・企業文化改革の3つ目の事例を簡単にご紹介します。

準備するものは、Redmine になります。

大抵の現場では、WBS(Work Breakdown Structure)に Excel を使っていると思います。ITS(Issue Tracking System)の話を見ると大抵の場合、 Excel に対してあまり良い表現をされないのですが、個人的には Excel に対して、悪い印象は持っていません。Excel は表計算はいうもがな、入力ツールとしてはかなり優秀です。現に、ITに携わる人で Excel の使い方が分らない人は殆どいないでしょう。問題は、 Excel をWBSとして使っていることです。WBSとして使うと、ファイル共有をしたとしても、アクセスが集中した際にファイルが壊れたり、データが落ちたりします。アクセスが集中しなくても、Excel ファイルをローカルに持ってきて、ローカルで更新したものをファイルサーバにアップされるといったこともあります。こういった課題や悪い使い方をされることと、Excel 自体に問題があるかは別問題です。

どうやって、脱ExcelのWBSをするかについては色々な方法があります。基本的に開発者の人たちには話して根回しをしておきましょう。障害になり易いのは Excel のWBSだけを見ている方になりますが、話せば納得してくれる場合は別として、話しても納得してもらえないなら、強引に適用してしまって良いと思います。

こうすると真っ赤な顔して怒ってくると思いますので、その際は慌てず騒がず冷静にデメリットがないことを伝えてください。よくありがちで、そして、うまくいかないパターンなのが、メリットがあることを伝えてしまうことです。真っ赤な顔して怒ってくる人は基本的に守りの姿勢・考え方の人です。今までのやり方から新しいやり方に変えられた(と思って)困っている人です。そんな人に「Redmine にすることで、○○というメリットがあるんです」と伝えても相手の不安を解消していないので、受け入れてもらえません。

ではどうすれば良いでしょうか? 真っ赤な顔して怒ってこないことを祈るのではなく、相手の不安を解消すれば良いのです。

真っ赤な顔して怒って来た人は Redmine を見て「Excel のWBSと全然違う!」と思っています。つまり、Excel のWBSと同じであることを示せば不安は解消されます。チケットの一覧画面から CSV 形式でチケットのデータをダウンロードして、Excel で見せることで、これは対応出来るでしょう。大抵の場合、真っ赤な顔して怒ってくる人の望んだ形式にはなっていないので、そこは加工してください。面倒なら最初は矛を収めてもらう為に、加工してあげて、後は手順を説明書か何かで作って相手が自分自身で出来る様にしてあげれば良いと思います。

そんなことは面倒? なんで上司に対して部下が教育しないといけないんだ? 残念ながら、改革(=変革)には莫大なエネルギーが必要です。それは日本に限らず、アメリカやヨーロッパといった海外でも同じです。そして、変えようとする際にその莫大なエネルギーは誰が出すかというと、変えようとしている人が出さなくてはいけません。つまり、あなたの眼の前には2つの道があります。現場・企業がより機能する様に文化を構築する道か、それとも現状に甘んじてより良い環境が消失するのをただ座視する道かです。

幸運なことに、これは誰かが Win で誰かが Lose になるというゼロサムゲームではありません。真っ赤な顔して怒ってくる人対応をするかもしれないあなたでさえも Win なのです。あなたは何もしない人に比べてエネルギーをこの対応に使うかもしれませんが、その代わりに自分にとってより良い環境を構築することが出来ます。誰かが構築したものだとあなたの望みは全て、もしくは全く叶わないかもしれませんが、あなた自身で構築すれば全てが叶います。そして、そういった自分の理想とする環境を構築するということは誰しもが経験出来るものではありません。経験を取るか、それとも座視するかの判断はあなたが決めてください。ただ、実施すれば、より開発のし易い環境になることと思います。